読書記録blog
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「傷春譜」 楡井亜木子/作 新潮社
幼い頃に母親をなくし、父親と継母の三人でくらすしっかり者の女子高生 、磨理枝。
その彼女が、地方の小劇団の主宰者に恋し、彼を追いかけていく……。
この物語の主人公、表題作である「傷春譜」の磨理枝も、併載作品の「あたたかい鎖」の夕凪も、一見普通の、しっかりしている女の子 だけど、どちらもむきだしのナイフのような、尖った心を持つどこか危うい精神状態の、年相応の女の子なんじゃないかなぁと思いました。
で、そのどちらもが、ろくでもない男に恋をする。
普通、これが実際の話なら、私は頭の固い大人のように眉をしかめるでしょうが、なぜか彼女たちは憎めませんでしたね。
これがフィクション だからなのかはわかりませんが、彼女たちの行動はある意味とても小気味いいと思いました。
その彼女たちが恋する 男も、女にだらしなくて、夕凪の彼氏の一郎なんて無職 で遊び人なんだけど憎めない魅力を持ってる。
正直、物語は明確な終わりを迎えずに終わっているのですが、出来れば、その後の彼女たちを読んでみたいと思います。
尖った心のまま大人になるのか……。
それとも当たり前の平凡な大人になるのか……。
想像するだけで、楽しみです。
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